先日のデジモン騒動、表向き『光が丘爆弾テロ事件』と呼ばれる事件が起こったことで、両親その他はそのまま光が丘に住み続ける事を嫌がり引越しすることとなりました。 引っ越し先として選ばれたのはお台場。 丁度お隣の八神家もウチと同じように引っ越しを計画していたので、だったらまた隣同士になりましょうとか母親同士が企んだ結果、住む土地が変わっただけで余り他は変わりがない現在。 そうそう、今までは俺がいるからと専業主婦やっていた母さんが、なんか思いのほか俺に手間がかからないからと仕事を始めたんだ。 もともとバリバリのキャリアウーマンだったらしく、復帰した今は周りに追い付こうと大変そう。 でも楽しそうな姿はやっぱり、その仕事が好きなんだなぁと共感して地味に落ち込んだり。 両親共働きってことになるから、たまに両方が残業で夕飯が一人の時がある。 そういう時はウチと違って常に片親がいるお隣八神家でご飯を一緒にすることもあり、ごく自然と・・・まぁ、バレたわけだ。 あ、勿論ヒカリにだけだぞ? 話そう話そうと思ってすっかり忘れ、気付いたら当たり前のようにインプモンと話してるから一瞬心臓止まるかと思ったよ。 てか、どうにもヒカリって年々変な方向へ力が伸びてる気がしてならない。 昔アニメで見てた時も思ったけど、普通の不思議ちゃんレベルを斜め45度くらいを倍速で突き進んでる感じ? 最近じゃ俺とインプモンのテレパシーとか普通に横入りしてくるし。 その特異性が妙なフェロモンでも発してるのか、怪奇現象だってたくさん起きてる。 ほら、現に今だって・・・・ ぱしんっ 振り払うように片手で薙げば、ゆらゆらと揺らいでいた空間がまるで最初から何にもなかったかのように静まり、ざわざわとした外の気配も戻ってきた。 「ヒカリ、大丈夫か?」 「うん、ありがと」 「しっかし今回のはまた、随分ホラーテイストだったな」 「うん・・・・今度からもう、かごめかごめはできないね・・・・」 「あー、俺がついてるときなら大丈夫だよ、きっと」 落ち込むヒカリの頭を撫で、慰めにもならない慰めを口にする。 たぶんヒカリがもっと大きくなって『力』の制御が効くようになれば、今回みたいなのは無くなると思うんだよね。 だからそれまでは、俺がちゃんと付いてなくちゃ。 幸いなことに、タイ兄も俺ほどじゃないけど『追い払う』ことはできるんだ。 そうそう大事にしてたまるか。 「んじゃ、遊びの続きでもしよーぜ、ヒカリ」 「うん!」 密かに忍び寄るな、ストーカーかっ! |